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もうひとつの猛獣
もうひとつの猛獣

Enjoy! Lamborghini LM002

カウンタックやディアブロばかりがランボルギーニではない。 今回紹介するスーパーモンスターSUVのLM002も、紛れもないランボルギーニであり、歴史にその名を刻んだモデルだ。このV12を積んだスペシャルオフローダーを再確認してみたい。

もうひとつの猛獣

ミリタリー車両として開発された経緯を持つ ランボルギーニをストレートに想像した場合、ミウラやカウンタック、ディアブロ、そして現行のモデルを脳裏に浮かべるはずだ。 しかしランボルギーニ社はその他にも魅力的なクルマを過去に生産していたのも紛れもない事実である。

LM002と名付けられたこのスーパーSUVは、Lはランボルギーニ、そしてMはミリタリーの略と言われている。この生い立ちは、クライスラーとのコラボレーションによって開発され、 ランボルギーニとしては4WDジャンルに初挑戦した記念すべき一作目。新たなマーケット開発と軍用車のプレゼンテーション的なニュアンスを含んだプログラムでクライスラーのV8ユニットをリヤに搭載し、 3速ATと組み合わせ“チーター”という名称で1977年に発売されたが、これは量産車として世に出されなかった。 そのチーターの名称をLM002に重ねてしまっているのが、“LM002=チーター”と呼ばれることもある。そしてLM001やLM004など、オフローダーのプロトタイプを生み出し、 LM002は1982年のジュネーブ・ショーでデビュー。

1986年にブリュッセル・モーターショーで市販バージョンを発表し、1982年の最終モデルまでトータルで約300台がデリバリーされている。 フロントに搭載されるエンジンは、5.2ℓ4バルブ仕様のV型12気筒ユニット。当時のカウンタックと基本的に同エンジンがベースとされており、450psの最高出力を誇る。 トランスミッションはZF製でセンターデブを介してフロントデフとリヤデフにそのパワーを伝達される。シフターにより4WD時でのハイとローモードに加え、リヤ駆動だけでの走行も可能としていた。

完璧なリフレッシュで新車と変わらぬ輝き!!

フラットパネルを組み合わせ、幅2m、全高1.85mからなるボディには圧倒的なボリューム感をストレートに感じる。このソリッドボディのLM002は、その力強い存在感を構築させた要因に、 卓越したボディのフィニッシュワークがあった。それは明らかに他のLM002とは異なる輝きを放っている。

オフローダーとして生まれ、そのキャラクターを満喫するために、実際このLM002は海や山を駆け回っていただけあり、ボディに無数の傷をつけ、さらにスチールパネル部からブリスターが 発生するなど、かなりのダメージを負っていたという。従来のスーパースポーツモデル用のエア圧でリフティングさせるシステムをリリースするロベルタのカスタムボディ部門によって、 下地から念入りに造りこんだため、見事に輝くソリッドブラックに仕上げられている。

ロベルタでは、下地処理を完璧に施したオールペイントの他、ワイドフレア加工やワンオフでの フロントバンパー制作などを得意としているだけに、そのフィニッシュは文句の付けようがないほどの仕上がりをみせている。 LM002のボディパネルは、ドアとサイドシルがスチール製で、ルーフとフェンダー、ボンネットがFRP製とマテリアルが異なる。だから下地処理から通常のスチールボディのクルマと同じ手法では作業は進められない。

また、ドアやサイドシルなどのスチール部の腐食が進んでいたうえ、新車時からパテ処理をふんだんに用いられただけに、作業はパーツの手直しからはじめることとなり、相当な技術を要する内容になったという。

また、使う塗料などの溶剤にもこだわり、柚肌や小さなデコなど、徹底した処理を行った結果、見事にそして美しい仕上がりを実現した。 もちろんペイント作業だけでなく、ヘッドライトをレイブリックの強力なタイプに変更し、911のドアミラーをフィッティングするなど、カスタマイジングにも抜かりはない。 ほかにもルーフトリムセンターにヘッドユニットをインストールする作業などもロベルタでは引き受けてくれるというから、彼らのバイタリティはオールマイティで素晴らしい。
フロントフードのセンターバルジはキャブレター仕様のユニットをクリアにするためにデザインされたもので、右側のダクトはエアクリーナー関係のインテークとなる。 このクルマのリアスペースは着脱可能なトランクボックスが取り付けられ、合計4名座ることができるシートクッションはレストア時にオーストリッチ調のブラックレザーに張り替えられた。

その左下には12V電源を野外で使えるソケットもビルトインされている。また、フロントには電動ウインチを装備。フロントフェンダーのアウトダクトはフトントライト・グリルと同じメッシュがあしらわれ、 スパルタンな印象を演出している。シャーシはパイプフレームでボディはスチール/アルミ/FRPと、それぞれ異なった素材が組み合わされている。

ドアヒンジはボディアウター側にマウントされ、 メッシュの処理やフラットウィンドウなど、全体的にミリタリー的なニュアンスを感じさせる。

車重は2700kg。全長4900×車幅2000×全高1850mm。ホイールベースは3000mm。トレッドは前後共に1615mm。 サスペンションはダブルウイッシュボーン式で、ステアリングギアボックスは、リサーキュレーティング・ボールのパワーアシスト付きとなっている。
ランボルギーニ各車種、フェラーリや様々なスーパースポーツ車用の車高リフティングキットをリリースするロベルタにより、ボディ関係をリフレッシュされたこのLM002は、 ヘッドライトを強力なレイブリック製に変更し、ドアミラーも91年式のポルシェ964まで採用されていたものに変えるなど、質実剛健なモディファイが施されているのも特徴だ。

前後ホイールはOZ製の8本スポーク。サイズは11J×17で、ピレリスコ―ピオの345/60R17サイズのタイヤが組み合わせられている。

ブレーキはマイバッハと同じくフロントに4ポットキャリパーを各ハブにダブルで装着し、 リヤブレーキは巨大なドラム式を与えている。
ステアリングはナルディ製の3本スポーク式。メーターの配列は左からフューエル、スピード、タコ、電圧、油温、そしてその上が水温計となる。シフトは5速式で、その前のフロントパネルには空調関係のコントローラーがレイアウトされている。

駆動関係のレバーは別に2つ、センターコンソールとシートの間にあり、 前のシフトが4WD時のハイとロー。後が4WDと2WDの切り換えとなる。室内はシート、各トリム、コンソール関係と上質なレザーで仕上げられている。 センターコンソール後にはリヤパッセンジャー用の空調システムがビルトイン。リヤシート下には収納スペースも設けられている。
搭載されているV型12気筒エンジンにはカウンタック・クワトロバルボーレと基本構成は同一。ボア×ストローク値は85.5×75.0mmとなり、総排気量の設定は5167cc。

取材車両のフューエルシステムはDジェトロ方式にインジェクションだが、この他キャブ仕様も生産されていた。

サージタンクから2つの円筒型エアクリーナーまでのインテークパイプはチャンバー形状となり、 左右バンク別個にレイアウトされているスロットルボディに蛇腹のパイプを介してジョイントされている。エキゾーストエンドは左右2本出し。
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